VFコーポレーションがSUPREMEを買収
ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)やヴァンズ(VANS)、ティンバーランド(TIMBERLAND)などを傘下におさめるアメリカの大手アパレルメーカー「VFコーポレーション(VF Corporation)」は2020年11月9日、シュプリーム(SUPREME)を21億ドル(約2163億円)で買収する契約を締結したと発表しました。
今回の買収によってVFコーポレーションは少なくとも5億ドル(約515億円)の増収となる予定と報じられています。シュプリームの創業者ジェームス・ジェビア(James Jebbia)およびシュプリームの主要なメンバーはブランドに残り、引き続きニューヨークに拠点を置き、シュプリームが変わらずに運営されていくことを強調。
シュプリームの創業者ジェームス・ジェビアは「私たちは、長年一緒に仕事をしてきた素晴らしいブランドを擁する世界的な企業であるVFコーポレーションに参加できることを誇りに思う。このパートナーシップは、私たちの独自の文化と独立性を維持しつつ、1994年以来の同じ道を歩んできた私たちのさらなる成長を可能にするだろう」と声明を発表しました。
VFコーポレーション傘下のブランドとシュプリームは過去にコラボレーションアイテムを発売しており、特にザ・ノース・フェイスとは長年の定番コラボレーションシリーズとなるほど蜜月関係が続いていたため、今回の買収に繋がったのではないかとも噂されています。シュプリームは今後もVFコーポレーション傘下以外のブランドとも協業は続けていくといい、ブランドの独自性は守られると見られています。
シュプリームはどうなるのか 今後の展開について
これまでシュプリームは数量限定商品やルイヴィトンをはじめとしたラグジュアリーブランドとのコラボレーションにより、デザイン性の高さ・入手困難という点などから話題を集め、高いブランド価値を誇ってきました。
シュプリームがVFコーポレーションの傘下に入り、デジタル戦略や国際展開を加速させることで、約5億ドル超の売り上げを10億ドル規模まで引き上げる方針に。
では、今後の市場価値などはどうなっていくのでしょうか。売り上げを10億ドル規模まで引き上げる方針ということはオリジナルアイテムの数量を増やし販売・コラボブランドの増加などといった理由からリセール市場でプレミア化する商品が減少していくかもしれません。これまでのような希少性のある高いブランド価値というイメージはなくなっていくことが懸念されます。
しかし、シュプリームは模倣品が多く、中国では偽物店舗がオープンされるほどに。そんなシュプリームの模倣品対策や立法化するなどVFコーポレーションがきちんと対策を打ってくれるのではないかと期待の声も上がっています。