テンダーロイン(TENDERLOIN)というファッションブランドは、アメリカのロサンゼルスで1997年に設立されました。日本人クリエーターである、辺見馨(Henmi Kei)と西浦徹(Nishimura Toru)が、1990年頃に出会ったことに始まります。二人は「いつか何かをしよう」と約束を交わします。
そして、世界のファッションを知るために、辺見馨はイギリスのロンドンに、西浦徹はアメリカのロサンゼルスに渡り、それぞれに経験を積んだのです。そして1997年、ロサンゼルスでテンダーロインというブランドを設立させました。
ただ、拠点はロサンゼルスだけでなく、ロンドン、東京の世界三大都市でも活動をしています。現在では、それぞれの都市で活躍している、志が同じである日本人デザイナー五人の仲間たちと、ブランドを展開しています。
テンダーロインという名前は、アメリカのロサンゼルスやニューヨークにある「テンダーロイン地区」に由来しています。日中でも足を踏み入れないようにと言われるほど、危険とされている地区ですが、そんなちょっと行儀の悪いようなスタイルが、辺見馨の好みのようです。テンダーロインのアイテムは、アメリカンカジュアルがベースとなっています。
シンプルながらも実用的、しかし斬新さや高級感も兼ね備えているといった、大人のストリートスタイルを実現させていることが特徴です。
テンダーロインは、デザイナー自らが体感した各地のストリートカルチャーの魂を、ファッションに込めることをコンセプトにしています。これはブランド設立当時から揺るいでいないスタンスのようです。そんなデザイナーの想いもあり、世界中に多くの熱狂的なファンを持っています。日本では、裏原宿系のお店からの高い支持を集めています。
事業は、ジャケットやスタジャンなどといったファッションから、サングラス、シルバーアクセサリーなどといった小物系のアイテムまで、幅広く展開しています。数多くのヒット商品を出している実績があり、オシャレな芸能人にも愛用されていることで知られているブランドです。
なお、2009年には、辺見馨はテンダーロインから脱退。自身のブランドであるアットラスト(AT LAST & CO)を立ち上げ、青山に店舗を構えています。こちらもアメリカンなテイストで、テンダーロインのデザインやシルエットに近いアイテムを販売しています。