多くの女性が憧れてやまないティファニー(Tiffany & Co.)は、1937年にアメリカ合衆国で産声を上げ、多くの偉業を成し遂げながら現在の地位を獲得してきました。
ティファニーといえば、街でもよく見かけるスカイブルーのボックス、すなわちブルーボックスが特徴的です。このスカイブルーは俗にティファニーブルーと呼ばれており、結婚式にもよく取り入れられるアイテムになっています。
創始者であるチャールズ・ルイス・ティファニー(Charles Lewis Tiffany)は、それまで学友と共同で経営していた会社の全権を1953年からひとりで握るようになり、その時初めてティファニーブルーと呼ばれるカンパニーカラーを使用し始めました。
このカンパニーカラーは、駒鳥(European Robin)という小鳥の卵の色に由来しています。駒鳥とは、とても美しい卵を産むヨーロッパで親しまれている小鳥で、イギリスの国鳥です。ヴィクトリア朝のイギリスでは、資産や土地を記しておく台帳の表紙に、駒鳥の卵の青がよく使われていたことからも、重要なものに使用されていたことが分かります。
また、昔から青は、高潔さや真実を象徴する色とされてきました。ティファニーの信念である「わが社の商品はどれも気品高くあらねばならない」というチャールズの信念と、駒鳥の卵の青が合致して、使用されるようになりました。
1906年ニューヨークサン紙に掲載されたブルーボックスにまつわる有名な記事があります。「ティファニーには、いくらお金を出されても売らないものがひとつだけある。・・・ただしお客様が商品を買うと無料で提供される。それは、ティファニーの名が記された箱である。」価値の高さがうかがえる話です。
ティファニーの代名詞であるブルーボックスには、同じく象徴的な白いリボンが結ばれています。白のイメージが威厳、祝福、純粋、清純といったことから、ブルーボックスの気高さに、さらに品格が備わります。ボックスにかかっている白いリボンは、一見すると普通のリボン結びのようですが、リボンの端を引っ張ると簡単にスルリとほどけるようになっています。ティファニーはそこまで顧客のことを考えてラッピングをしています。
クリスマスシーズンには、ブルーボックスに赤いサテンのリボンがかけられます。シーズンだけの特別な包装も、クリスマスの気分を一層盛り上げてくれる価値のあるものになっています。
製品を見る前から幸せな気分にさせてくれるティファニーの商品は、ブルーボックスという象徴的な色とボックスが感じさせてくれるものです。