アウトドアグッズやブーツで有名なティンバーランド(Timberland)は、1918年に創業者であるネイサン・シュワーツ(Nathan Schwartz)が、アメリカ・ボストンの靴屋でブーツ作りを始めたのがきっかけです。レザーを裁断、縫製、ソールを貼り付けるなど、自身でブーツを作る作業の中で、シュワーツは精巧なレザーブーツのつくり方を習得していきました。
1952年、ネイサン・シュワーツは、サウスボストンのアビントン・シュー・カンパニー(Abington Shoe Company)の権利を半分手に入れ、1955年には、残り半分の権利を買い取り、100%子会社にしました。
その後、二人の息子シドニー(Sydney)とハーマン(Herman)が会社の経営に加わります。シドニーは、射出成型の技術を靴の製造に採用することで、ソールとレザーアッパーを縫い合わせることなく一体化させることに成功しました。その独自の技術によって、つなぎ目から水が染み込む心配のない、完全防水のブーツを世界で初めて開発します。
その後1973年に、シドニーが世界で初めて完全防水レザーのブーツを発表しました。厚みを持ったラバーラグソール、優れた防水性のプレミアムフルグレインレザーとレベルの高い職人技がマッチした、イエローブーツは瞬く間にブーツの定番となります。
シドニーは、この完全防水ブーツにティンバーランドという名称をつけ発表しました。その後、社名にティンバーランドを採用し、1978年にティンバーランドという名前のブランドが誕生しました。
1980年代になると、高性能なイエローブーツは、世界中で人気を博すようになりました。そして、1980年代後半には、レディースシューズの販売を始めます。それまで、メインターゲットが男性だけだったのに対し、女性向けの製品が販売されたことで、さらに注目を集めるようになりました。
日本では、ヒップホップ系からストリート系など、幅広いファッションを好む人から人気があり、イエローブーツと言えばティンバーランドと言えるほど不動の人気を誇っています。