トラサルディ(Trussardi)は、イタリアを代表するファッションブランドです。1910年にダンテ・トラサルディ(Dante Trussardi)が、ミラノの北東約40㎞に位置するベルガモ県に創業して始まりました。
高級革手袋メーカーとしてのスタート
創業時は、高級革手袋メーカーとしてスタートします。なめし加工が施された柔らかい手袋は、社交界でそのクオリティの高さが評判となり、やがて王室御用達ブランドとなりました。トラサルディは格式高いブランドとして名を馳せるようになります。
1972年に創業者の孫ニコラ・トラサルディ(Nicola Trussardi)が2代目となり、様々な改革を実施していきます。ニコラ2代目就任時は、高級革手袋の需要が伸び悩んでいました。
そこで、革手袋で培ったなめし加工のノウハウを活かし、バッグを中心とした革製品やアクセサリーの製造を展開します。新しい素材の開発にも力を入れ、軽量で柔らかなナッパシルクという素材を生み出しました。
この時期にトラサルディのシンボルマーク、グレイハウンドという犬種の頭の部分と楯を組み合わせたものが考え出されました。シンボルマークには、スポーティ、洗練、エレガント、そして革新の意味が込められています。
ブランドの加速
1970年から1980年代は、ブランドの勢いがさらに加速しました。1976年にミラノに初の直営店をオープンさせます。アパレル製品にも進出し、1983年にレディースコレクションを、1984年にはメンズコレクションを発表しました。
そして、日本にも進出します。1999年2月ニコラは、帝人株式会社と日本でのトラサルディ総輸入元契約及びライセンス契約、商品販売総代理店契約を結びました。
これが日本進出の始まりとなりましたが、同年4月にニコラは、帰宅途中に高速道路で事故に遭い、帰らぬ人となります。
ニコラ二代目の死後
ニコラ急逝後は、長男フランチェスコ (Francesco)が後継者となります。同年9月には東京南青山に旗艦店をオープンさせました。ライセンス商品から直輸入商品へウェイトをシフトし、ブランドイメージの刷新を図っていきます。
2008年にはグッチ(GUCCI)やジル・サンダー(JIL SANDER)のデザインを担当した経歴を持つミラン・ヴィクミロビッチ(Milan Vukmirovic)が新たにデザイナーに就任しました。彼は高級ラインのトラサルディ1911(TRUSSARDI 1911)を立ち上げます。
2011年春夏コレクションより、新鋭のデザイナー、ウミット・ベナン(Umit Benan)がファッションコンサルタントの職に就任しました。
その後2014年には、創業家出身のガイア・トラサルディ(Gaia Trussardi)がクリエイティブ・ディレクターに就任します。彼女は、幼い時からファッションの世界に身を置き、スタイルアイコンとしても注目されている存在です。
ガイアを迎えたことで、トラサルディは新たな章の幕をスタートさせました。ラグジュアリーでタイムレスな魅力を発信し続けるトラサルディの今後がますます注目されます。