2人の新ディレクター

マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)とピエールパオロ・ ピッチヨーリ(Pierpaolo Piccioli)の2人は、長きに亘りファッション界でともに過ごしてきたクリエイテイブディレクターです。 2007年にヴァレンティノの創業者でありデザイナーのヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)が引退してから、後任としてクリエイティブディレクターにはアレッサンドラ・ファッキネッティ(Alessandra Facchinetti)が就任しましたが、ファッキネッティは1年で辞任してしまいます。 その後任としてクリエイテイブディレクターに抜擢されたのが、ヴァレンティノで長期間に亘ってアクセサリーデザイナーとして活躍していた、マリア・グラツィア・ キウリとピエール・パオロ・ピッチヨーリの2人でした。 2人はイタリアのローマにある大学、インスティチュート・ヨーロッパ・ディ・デザイン(Istituto Europeo di Design)でファッ ションデザインについて学びました。

2人の出会い

そんな2人の出会いは、卒業後に入社したイタリアの老舗ファッションブランドの「フェンディ」です。 フェンディではおよそ10年をかけて経験を積んでいき、2人がデザインを手がけるバッグは大ヒットとなっていくつかの有名なフェンディバッグとなり、徐々にその頭角を現していきました。 そんな中、1999年にヴァレンティノ・ガラヴァーニからの熱烈アプローチによって、ヴァレンティノブランドのアクセサリーラインである、ヴァレンティノガラヴァーニ設立にあたって、アクセサリーデザイナーに抜擢されます。

ヴァレンティノの大黒柱

2007年9月に、ヴァレンティノが引退すると同時に、マリア・グラツィア・ キウリとピエール・パオロ・ピッチヨーリはアクセサリーラインのデザイナーから、クリエイティブディレクターとして就任することとなりました。 そしてその翌年には、アクセサリーだけでなくヴァレンティノ全ラインのクリエイティブディレクターとして就任したのです。 2008年の秋冬コレクションからメンズラインはフェッルッチョ・ポッツォーニがデザイナーに就任しましたが、わずか2シーズンで辞任してしまいます。 その穴を埋めたのも、レディースウエアを手がけていたキウリとピッチヨーリで、メンズラインのデザインも手がけることが決定しました。ヴァレンティノでの2人の在籍期間は、計17年にものぼります。 しかし2016年7月にマリア・ グラツィア・キウリはヴァレンティノを退任することとなり、20年以上にも及ぶピッチヨーリとのコンビが解消されることとなりました。 キウリは、公式文書の中でヴァレンティノブランドへの感謝をつづりました。それ以降はピエール・パオロ・ ピッチヨーリが単独で、ヴァレンティノのクリエイティブディレクターの座を務めています。
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