1974年にアメリカ・マサチューセッツ州ボストンで誕生した、バンソン(Vanson)は、ボストン大学で経営学を学んだ当時22歳のマイケル・ヴァン・デ・シングルスン(Michael Van De sleesen)によって設立されました。
バンソンが創業当時から守り続けているのは、熟練の職人によるハンドメイドでの生産です。ジャケットを作る過程でもっともシンプルなものでも49の工程があり、複雑なものになると126の工程を経て製作されます。工場には約150名が在籍しており、職人は平均8年以上の経験者ばかりです。新しいスタッフの教育も合わせて行われており、ハイレベルの技術の継承が、多くのファンをもつ最高級レザージャケットを生み出していると言えます。
また、コンピュータによる商品管理やデザインなどをいち早く取り入れたのもバンソンで、デザイナーの創作力とコンピュータの最新技術によって生み出された最先端のレーススーツやジャケットは、バイクに乗っているときだけでなく降りてからも着ていたくなるようなものばかりです。バンソンの商品にはすべてシリアルナンバーがついており、一つ一つコンピュータで管理するという徹底した品質管理もバンソンの特徴と言えます。
バンソンのレザージャケットは、独特のツヤがありとても重圧感があります。そのメイン部分にあたるトップグレンカウハイドの加工はすべてハンドメイドで行われているのです。まず、なめしという作業が行われるのですが、これはレザー表面の繊維状たんぱく質に溶液をつけて、網状の組織に固める作業です。バンソンのレザーは1800年後半に開発された、クロームなめしという方法を用いています。滑らかで美しい仕上がりで、耐久性や伸縮性にも優れているためライダースジャケットによく使われるのですが、バンソンの仕上がりは他のブランドとは明らかに違い、熟練の職人の技術がいかんなく発揮されています。
次にレザーをオイル、染料、お湯と一緒にドラムに入れて6時間以上混ぜ合わせます。この作業でレザーに栄養と色味を浸透させ、より強く柔軟なレザーに仕上げていくのです。最後に、トップコーティングという仕上げの加工が施され、独特のツヤを放つ重厚なバンソンのレザージャケットが出来あがります。レザーが完成してからも厳しい品質チェックが行われ、基準に満たないレザーは取り除かれてしまい、基準をクリアしたレザーのみ製品に使用されるのです。
こうしたこだわりの中作られているからこそ、バンソンのジャケットは、品質にこだわるレザーファンから圧倒的な人気を誇っているのです。