ベルギーの代表するデザイナーを語る上で外せない人としてあげられるのが、ヴェロニクブランキーノ(Veronique Branquinho)です。多くのデザイナーを世の中に放出している、アントワープ王立芸術アカデミーの出身者のひとりでもあります。ヴェロニクブランキーノが学校の卒業制作で作った作品がファッション関係者の目に留まり注目されることとなりました。
注目される世界観
パリコレクションにはじめて参加したのは、1998年のコレクションからになります。静寂した静かな時間の中で発表されたコレクションは、80年代後期のベルギーブームを彷彿とさせる、フェミニンでダークな世界観でした。2003年からは、メンズコレクションも発表します。
ヴェロニクブランキーノの作り出す世界観は、モダンでシンプルでありながら、圧倒的な存在感と品質の良さを感じられるものになっています。
落ち着いた色から虹色まで、カラーパレットの広さも魅力のひとつです。奇抜な色や素材を使って作られているものも少ないため、幅広い年代の人が着こなせるものとなっています。コレクションを見るだけで、着心地の良さや素材の良さが際立っているのもわかります。
ブランドの閉鎖から現在
彼女の作り出すコレクションには一貫性があり、多くのファンを獲得していたのですが、ブランドが小規模のメゾンだったこともあり2009年にブランドを閉鎖しなくてはいけなくなりました。
しかし、彼女の強いファッションへの愛と才能に目をかけたイタリアのジボ(Gibo)社のもと、ブランドを再開することとなります。
2017年の春夏コレクションでは、フリルやレースを使いロマンチックなムード漂うシリーズを発表しました。
ピンク系の優しい色味の中に、細やかな刺繍やアンティーク調のプリント、リボンなどを繊細に使われたコレクションは見る人をフェミニンな世界観へ誘います。それらの服とのコーディネーションとして、ブラックを組み合わせることでフェミニンすぎないテイストとなっています。
2017年の秋冬コレクションでは、春夏とは違う知的でマスキュリンなコレクションを発表しました。シックな色味のテーラードジャケットやマントに組み合わせるのはホワイトやストライプの爽やかなシャツです。クラッシックで上品な世界観に、裏地で光沢ある虹色を組み合わせて、遊び心が入っているものもあります。
モダンでありながら、時代のトレンドやニーズが反映されたスタイリッシュなコレクションの数々は、これからも現代の女性たちを魅了していくでしょう。