愛されるワークブーツ
オレゴン州にあるスキャプースという自然豊かな田舎町に拠点を構えるウエスコ。
ウエスト・コースト・シューカンパニー(West Coast Shoe Company)の略称となっており、ワークブーツブランドです。
創立者のジョン・ヘンリ・シューメイカー(John Henry Shoemaker)によって作られます。そして1918年に誕生しました。
創業してから、1世紀以上も多くの人々を魅了するウエスコ。155もの工程を経ることで生産される手作りのワークブーツは、頑丈なブーツを必要としている労働者たちが愛してやまなかったといわれます。
そんなシューズブランドのウエスコの道のりは決して楽なものではありませんでした。
ブーツ作りのきっかけ
ジョン・ヘンリ・シューメイカーがブーツ作りに携わるようになったのは、まだ16歳の頃。彼は決してブーツ職人になりたかったわけではなく、今までしていた新聞売りの仕事から逃れるためなら、どんなことでもよいという動機からでした。
しかし、この出来事が、その後の移民のジョン・ヘンリ・シューメイカーの人生を大きく決定づけることとなります。
その当時ミシガンは世界一の材木量を誇っていたとされ、別名「ザ・ロッキング・キャピタル・オブ・ザ・ワールド」と呼ばれていました。
そんなミシガン州で、ロッガーズ・ブーツのつくり方についての技術を習得したのがブーツ作りの始まりでした。ミシガン州ザグナーから、労働者のブーツの注文が殺到していたこともあり、技術習得に大いに役立っています。
シアトルへの旅立ち
その後、1903年にさらなるチャンスを求めて西部へと向かいました。妻と幼い娘を残して、一人シアトルに旅立ったジョン・ヘンリ・シューメイカー。彼がポーランドについた頃には全てのお金が底をついていました。
しかし、幸運なことに、ポーランドのブランドリー・シュー・カンパニーで仕事を見事見つけ、家族を呼び寄せて新しい生活を再スタートさせることができます。
7年間働いたのち、グッドイヤー・シュー・カンパニーへ移り靴のプロダクションとリベアの部門を任されることになります。
ウエスコの独立
10年経った1918年についに、ウエスコは独立を果たしました。
ミシガンで靴の製作を行っていた頃と同じく、ウエスコの主力アイテムは、ロッガー・ブーツでした。そのロッガー・ブーツが見事に成功したこともあり、1918年から1929年の10年余りの間にお店を4度移転するほどにビジネスは拡大しました。
世界恐慌
そんな順風満帆にハンドメイド・ブーツメーカーとして、ウエスコが大きくなっていた矢先の出来事です。1929年の10月の世界恐慌による大きな打撃を受けることで、ウエスコの行く先が大きく変わるのでした。